サルヴァトーレ・フェラガモは、1898年6月5日、イタリア南部の小さな街ボニートで生まれました。
フェラガモ家は大家族であり、サルヴァトーレは14人兄弟の11番目の子でした。
職人として彼はとても早熟で、初めて靴を作ったのは9歳の時、店を構えたのは11歳の時のことと言われています。
15歳になるとサルヴァトーレは、兄の一人を頼り、アメリカのボストンへ渡ります。
その後、南カリフォルニア大学で、解剖学を身に付けました。
この知識は後に、サルヴァトーレの靴作りに大きな影響を与えることになるのです。
ボストンの工場で靴の製作に携わっていたサルヴァトーレでしたが、当時主流になっていた機械での生産に馴染めず、僅かな期間で退職してしまいます。
それから、カリフォルニアで兄と共に靴屋を開業しました。
映像業界での受注を請け負い、軌道に乗った頃、サルヴァトーレはその靴屋から独立して『ハリウッド・ブーツショップ』を開業したのです。
1923年、サルヴァトーレがまだ24歳のことでした。


出典:https://la-confidential-magazine.com
ハリウッド・ブーツショップの名と共に、職人サルヴァトーレの名もハリウッドで評判となり、オードリー・ヘップバーン、マリリン・モンロー、ソフィア・ローレン、イングリット・バーグマンなど、多数のハリウッドスター達を顧客に持ち、大成功を収めます。
そして、1927年にはイタリアに戻り、ブランド『サルヴァトーレ・フェラガモ』を立ち上げます。
世界恐慌の煽りを受け、1933年には一度倒産しますが、貴族やセレブ達を始めとする数多くの支持者達により、ブランドは再開し、今日まで第一線に名を挙げ続けています。
前述した通り、サルヴァトーレは解剖学を大学で学び、どのような靴なら足を痛めることなく履き続けられるかなど、デザインだけでなく機能面にもその目を向けていました。
彼は、人の足に触れればその人の体調までもわかったと言われています。
それだけ人を思い、同時にファッション性を追求したからこそ、今日の『フェラガモ』があると言えるでしょう。