フランスが誇る、最高峰の宝飾ブランド”カルティエ”。

日本では”カルチェ”の愛称で、老若男女に愛されてきました。
時計や財布だけでなく、ライターやペンといった、大人の愛用アイテムで一歩先を行くには”カルチェ”は欠かせなかったのです。

その後、英語表記や発音において訂正があり、日本でもより本国の発音に近い”カルティエ”と言われるようになりましたね。

 

“カルティエ”の歴史はとても古く、創設は1847年になります。
フランス人の宝石細工師であった”ルイ=フランソワ・カルティエ”が、師匠より宝石工房を受け継いだことから、ブランドの歴史は始まりました。
カルティエはこの時、28歳でした。

時の貴族や富豪に愛され、ブランド”カルティエ”はみるみるうちに名を馳せてゆきます。
またその名に恥じない技術と才能、それ以上に努力の人であったカルティエは、当時のイギリス国王より「キングオブジュエラー」(宝石商の王)と称されました。

出典:https://www.kronos360.com

それから、ブランドは息子、そして孫の代へと引き継がれながら、常に時代の中心にありました。
フランスだけでなく、ポルトガルやロシア、イギリスなどでも王室の御用達とされ、ヨーロッパ全体で知られたカルティエのジュエリーは、まさにハイクラスのイメージそのものでした。

 

カルティエの製品として第一に挙げられるのが、やはり腕時計でしょう。

ルイ=フランソワ・カルティエは、当時フランスで主流だった”アールヌーヴォースタイル”(曲線の美しいデザイン)よりも、対照的で規則性のあるデザインに着目します。
後に”ガーランドスタイル”と呼ばれたこの様式は、カルティエのジュエリーを代表するデザインとされ、時の貴族達に大変愛されました。

このガーランドスタイルから派生し生まれたのが、”アールデコスタイル”です。
アールデコ調という名は誰もが耳にしたことがあるでしょう。
直線を多く用いて、より規則的で洗練されたデザインのことです。

アールデコは宝石だけでなく、建築や家具、服、絵画などにも生かされ、今日までも世界のスタンダードデザインとなっています。

そして、カルティエの時計に用いられたその美しい直線のスタイルは、何より近代的であり、世界中の人々を魅了しました。
現在でも、カルティエの時計やジュエリー、その他の製品からはアールデコスタイルの片鱗を感じ取る事が出来ます。

 

このように、歴史の深さからも他のジュエリーブランドとは一線を画す存在である”カルティエ”。
数多くのブランドや、建築様式にまで影響を及ぼしたとされる、洗練されたデザインを、現在でも世界各地で手に取る事が出来ます。

そしてその輝きと歴史に、誰もが心を奪われることでしょう。