新進気鋭のラグジュアリーブランド”MCM”。
アジア圏ならず、現在ではその名前やアイテムを見聞きしたことのある人も多いでしょう。

ブランドは1976年、ドイツのミュンヘンにて設立されました。
伝統的なハイブランドの多い欧州の中では、かなり新しい世代となります。
今現在では数多くのジャンルアイテムを揃えてはいますが、当時は主に旅行鞄を扱っていました。

“MCM”の意味は、”マイケル・クローマー・ミュンヘン”。
創業者である”マイケル・クローマー”の名にちなんで名づけられたものです。

出典:https://thelostboy91.wordpress.com

 

しかしながら、業績悪化その他の理由により、企業は韓国のブランドグループ”ソンジュ・グループ”に買収されました。

 

韓国ブランドと変わった今では、”MCM”は”Mode creation munich”(モード・クリエイション・ミュンヘン)とされています。
”ミュンヘン”の名を残しているのはドイツで生まれ育ったブランドのルーツを重んじているからともいえるでしょう。

買収された当時(2005年)は、日本をはじめとしてアジアや世界中に至るまで韓国文化のブームが起きた時代でもあります。
ドラマや映画、音楽など、韓国のスターが名を馳せたいわゆる”韓流ブーム”の最中で、ブランド”MCM”もその波に乗りました。

 

もう一つ、”MCM”の製品は中国で爆発的に売れたことで、大きな実績と自信を手にしました。
こちらはいわゆる”中国バブル”で、観光客やセレブにも愛用され、そこから世界中へと認知されてゆくこととなりました。

 

アジアでこうしたブームに乗れたのは、決して偶然ではないのです。

MCMのアイテムの特徴としては、レザーのクラシカルなデザインに、金色のスタッズ(鋲)が付けられていることが挙げられます。
こうした、高級感の中にどこか前衛的なデザインを施すことで、若者を中心にヒットしたのです。
バッグでもショルダータイプやハンドバッグが一般的ですが、”MCM”は大きめのリュックも多くあり、女性が大きめのリュックを背負う姿はとてもチャーミングとされ、多くの若者の支持を獲得するに至っています。

もちろん、定番のバッグや小物、アクセサリ、シューズなども手掛けており、そのどれにも前衛的な趣向が凝らしてあるのです。

 

そして、現在では世界に300店舗以上を構えており、母国であるドイツにも数十店舗あまりあります。

ドイツでは欧州伝統のブランドの仲間入りを果たすことは叶わなかった”MCM”ですが、アジアでの幾度かのブームを経て、母国そしてまた世界中へその人気を広めることに成功しました。