国内でも大変知られたブランドの一つ、”ヴィヴィアン・ウェストウッド”。
人気漫画である”矢沢あい”がファンを公言したことでその名前を知った方も多いと思います。

“ヴィヴィアン・ウェストウッド”は、ブランドとして少し変わった経歴を持っています。
創業者である”ヴィヴィアン・イザベル・スウェア”は1941年にイギリスのダービーシャーで生まれました。
元は画家志望でしたが、生計のためと教職の道へと進みます。
ウェストウッドという名字はその当時に結婚した夫”デレク・ウェストウッド”の名字なのです。
その後は、無政府主義者であった”マルコム・マクラーレン”と再婚し、彼と共にブティック”レット・イット・ロック”をオープンします。
このショップとブランドこそがヴィヴィアンのルーツともいえるでしょう。
ショップはその名の通り、ロックファッションを取り扱っていて、店の従業員や常連客を、夫妻がプロデュースし、パンクバンドとして売り出します。
そのバンドは当時絶大な人気を博し、後々に世界中にパンクムーブメントを巻き起こす”セックス・ピストルズ”でした。
ショップは幾度も名前を変えており、「セックス」「セディショナリーズ」「ワールズエンド」と変え、現在に至っています。

1980年代に入る頃、ブランドはアンダーグラウンドから徐々にファッション業界の表舞台へと出てゆきます。
1983年には初のパリコレクション進出を果たしました。
1990年代にはレディースラインを設立し、ゴールドレーベルとレッドレーベルの二つをスタート。
またこの頃には、前述したように日本国内でも高い人気を得ていました。
ヴィヴィアンは2006年に、イギリス人デザイナーとして初めて「dame」の称号を与えられます。
イギリスといえば王国貴族のイメージが強いですが、その陰で若者達のブームというのは少なからずあり、ブランド”ヴィヴィアン・ウェストウッド”はそのシンボルであり、ヴィヴィアンは先駆者の一人でした。
またそんなブランドがパリやミラノでのコレクション発表を経て、世界中に流行したという、ファッションの歴史的にも稀有な1ページとなっています。

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