世界に名立たるデザイナー達の中に、”トム・フォード”の名前も輝かしく刻まれていることでしょう。

1990年代から2000年代にかけて、二つのトップブランドを窮地から救い、大きく躍進させた若きデザイナー。”トム・フォード”の名は全世界で知られました。

 

トムは、”1961年、アメリカのテキサス州で生まれました。
若い頃は俳優を目指していた彼でしたが、のちにインテリア・アーキテクチャーを学び、その後はデザインの道へと進みます。

1990年には、住んでいたニューヨークからイタリアはミラノへ移り、本格的にデザインを生業とします。

そして、トムはトップブランドとしてその名を知らぬ者はいない”グッチ”でレディースファッションのデザインを担当するようになります。

当時、”グッチ”はブランドとしての危機に直面していました。

しかし、その中、トムはあくまでも一人のデザイナーとして、仕事を全うします。
ブランド”グッチ”が、時代と共に変化し、危機に直面する中、トムはデザインにおいては数々の賞を受賞。
また、マーケティングにおいても才能を発揮し、実質は破産寸前であったブランドにかつての光を取り戻させました。

現在でも”グッチ”が創業者”グッチオ・グッチ”の理想と信念を形作れているのは、他でもない”トム・フォード”のおかげだといえるでしょう。

 

若くしてその才能と手腕を評価された彼は、2001年からは”イブ・サンローラン”でもクリエイティブ・ディレクターを任されます。
同ブランドもまた、トムの才能によって売上をかなり伸ばしたといわれています。

 

そして、2004年には、”グッチ”と”イブ・サンローラン”どちらともから手を引くこととなりました。
その裏には、ブランドの大衆化に伴う買収騒動などあったともいわれていますが定かではありません。

何にせよ、彼にはまだまだ夢があったのです。

二つのブランドのディレクターを辞任後、彼はニューヨークへ戻り、自身のブランド”トム・フォード”を立ち上げました。

それからデザインを手掛けた多くのアイテムの中、サングラスや眼鏡はあまりに有名です。
これらは多くの著名人に愛用され、ステータスとされています。

 

“トム・フォード”は現在、映画監督としてもいくつかの作品を手掛け、活躍しています。
これも、元々は俳優を志していた彼だからこその、もう一つの夢だったのでしょう。

危機に瀕していたブランドのオファーへも恐れずに立ち向かい、そして、乗り越えた若きデザイナー。
故郷へ戻り、もう一つの夢も形にした。

”トム・フォード”の名は、まだまだこれからも世界へと広がってゆくことでしょう。

 

Image Credit: The Talks
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